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Google AI Modeの商品価格は通常検索より平均21.6%高い、Productrise実測調査 (llmo-news-20260907-google-ai-mode-shopping-price-premium-productrise-study)
AI検索最終更新日: 2026年9月18日初出: 2026年9月7日

Google AI Modeの商品価格は通常検索より平均21.6%高い、Productrise実測調査

EC可視性トラッキングツールProductriseが200万件超の商品と10万件超のAI Mode/通常検索を突き合わせた実測調査を公開。同一商品でもAI Modeは平均21.6%高く、商品の重複率はわずか1.28%だった実態と、EC事業者が取るべき対応を解説する。

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目次(32項目)

Google AI Modeの商品価格は通常検索より平均21.6%高い、Productrise実測調査

要点: EC商品可視性トラッキングツールProductrise(創業者Hugo Huijer氏)が2026年9月1日、Google検索の「AI Mode」が示すショッピング推薦を200万件超の商品リスティング・10万件超のSERP/AI Mode回答で実測した調査を発表した。同一商品を突き合わせた結果、AI Modeの価格は通常のGoogle検索より平均21.6%(中央値では約49%)高く、価格が一致しない商品の68.4%でAI Modeの方が高かった。 さらに、通常検索に出た商品のうちAI Modeにも登場したのはわずか1.28%、主要販売元が両者で異なるケースも49.6%にのぼり、AI Modeは通常検索とはほぼ別の「選定ロジック」で商品を提示していることが示された。海外のSEO・EC業界関係者からは、消費者の不利益とEC事業者側の商機の両面から反応が相次いでいる。

最終更新日: 2026年09月07日

何が起きたのか

調査の概要と手法

2026年9月1日、EC事業者向けの商品可視性トラッキングツールを提供するProductrise(productrise.app)が、自社ブログで実測データに基づく調査結果を公開した。運営するのは創業者のHugo Huijer氏。調査は米国・英国市場を対象に、2026年8月9日から31日までの23日間にわたって実施された。

Productriseの手法上の特徴は、単発のサンプリングではなく、同一クエリ・同一日にGoogleの「AI Mode」と通常のGoogle検索(Search)を同時に実行し、Googleが商品ごとに付与する商品識別子(product ID)を突き合わせキーとして使い、まったく同一の商品同士を機械的に比較した点にある。サンプル規模は200万件を超える商品リスティングと、10万件を超えるSERP/AI Mode回答に及んだ。単なる印象論やアンケートベースの調査ではなく、Googleの検索インフラ内部で発行される識別子を使ったマッチングによって、「同じ商品が、検索インターフェースの違いによってどう扱われるか」を定量的に切り分けている点が、この調査の信頼性を支える骨格になっている。

価格差の実態:平均21.6%、中央値では約49%高い

調査の中心的な発見は、AI Modeと通常検索の両方に出現し、product IDで突き合わせが取れた同一商品について、AI Modeで表示される価格が通常検索より平均21.6%高いというものだ。さらに中央値で比較すると、AI Modeの表示価格が149ドル、通常検索が100ドルとなり、金額ベースでは約49%の差が生じていた。平均値と中央値の双方でAI Modeの価格が高い方向に偏っていることは、これが一部の外れ値に引きずられた現象ではなく、構造的な傾向であることを示唆している。

突き合わせができた商品全体のうち、**38.1%**で価格が完全には一致しない「不一致」状態にあったことも報告されている。価格が一致しない場合の内訳を見ると、**68.4%のケースでAI Modeの価格の方が高く、そのときの価格差の中央値は+22.2%だった。逆にAI Modeの方が安いケースは残りの31.6%であり、その場合の価格差の中央値は-7.8%**にとどまる。つまり、価格が食い違う場合、AI Modeが高い方向にぶれる頻度も、ぶれ幅の大きさも、安い方向にぶれる場合を大きく上回っている。

商品の重複率はわずか1.28%、主要販売元も約半数で異なる

価格差以上に注目すべき数字として、Productriseは商品そのものの重複率の低さを挙げている。通常検索に出現した商品のうち、AI Modeにも登場した商品はわずか**1.28%**しかなかった。これは、AI Modeが通常検索の結果を単純に要約・抜粋して見せているのではなく、通常検索とは実質的に別の選定ロジックで商品候補を組み立てていることを示す数値だ。

さらに、product IDで突き合わせができた商品(=両方に登場した1.28%の商品群)についてすら、**49.6%**で「主要販売元(lead seller)」が通常検索とAI Modeとで異なっていた。同じ商品であっても、どの店舗・どのサイトから購入する形でユーザーに提示されるかが、検索インターフェースによってほぼコイントスに近い確率で入れ替わっているということになる。

表示される商品点数もAI Modeは大幅に少ない

もう一つの構造的な違いとして、1回の応答・検索結果あたりに表示される商品数がある。Productriseの調査によれば、AI Modeが1回の応答で提示する商品は平均3.9件にとどまるのに対し、通常のGoogle検索は平均27.8件の商品を表示する。通常検索の実に7分の1程度まで選択肢が絞り込まれている計算になり、AI Modeがごく少数の商品を「代表」として選び出し、それ以外の選択肢をユーザーの視界から実質的に排除する設計になっていることがうかがえる。

識者の反応:安さより「らしさ」を優先するアルゴリズムへの疑念

この調査結果を受けて、海外のSEO・EC業界の識者から複数のコメントが寄せられている。

独立系SEOコンサルタントのBrodie Clark氏は、「AI Modeは通常検索のアルゴリズムほど価格を重視していない可能性がある」との見方を示した一方、最終的には最安値の小売業者がクリックを得るという従来型の力学が働く可能性も併記しており、価格要因の影響が完全に消えたわけではないという慎重な留保も加えている。

Break The WebのKatelyn Geary氏は、この価格差を「安価な代替品を一度も目にすることなく余計に払わされる、見えないペナルティ」と表現し、AIショッピングが謳う効率性そのものを損なう現象だと指摘した。

JAKALAのJamie D'Alessandro氏は異なる角度から評価しており、AI Modeがマーケットプレイスよりもブランドの自社サイトを優先する傾向があるとすれば、リッチな商品フィードデータを整備している事業者にとってはむしろ好機になり得ると分析している。

EEのTristan James氏は、消費者の30〜75%が価格に敏感だとされる中で、今回明らかになった価格差が売上に直接影響しうると警告した。

Re:signalのCallum Lockwood氏は、主要販売元が約半数で入れ替わっている点について、AIは商品フィードの情報だけでなく、第三者による言及・レビュー・プレス露出なども加味して販売元を選定している可能性を示唆している。

SEOコンサルタントのJeff Collins氏は、この価格差の背後に、購入コンバージョンを早めるための意図的な商業設計が存在する可能性を指摘している。

これらのコメントを総合すると、識者の間でも「なぜAI Modeがより高い価格の商品を選びやすいのか」について単一の結論には至っておらず、アルゴリズムの価格感度の低さ、ブランド自社サイト優先の設計、第三者シグナルの加重、意図的な商業設計といった複数の仮説が並立している状況が見えてくる。

背景:AI Modeのショッピング機能拡張の経緯

Google AI Modeは、対話型の検索体験として複数のクエリを内部で並列処理し、生成AIによる要約回答とともに関連リンクを提示する機能として展開が進められてきた。ショッピング領域への機能拡張は段階的に進んでおり、当メディアでもAIショッピングの主役は商品フィード、商品ページではない――SEL報道で報じた通り、ChatGPT・Gemini・PerplexityといったAIショッピング機能の多くが、個々の商品ページのスクレイピングではなくGoogle Merchant Centerの構造化フィードデータを主な情報源として商品を選出している構造が明らかになっている。

さらに2026年8月31日には、AI Modeの回答本文の内部に直接ショッピング広告カルーセルが埋め込まれる新しい表示形式が確認され、AI Modeがショッピング領域での存在感を急速に強めていることが示された。また2026年9月3日には、Google Merchant Centerの「AI Performance Insights」機能が米国に続きオーストラリア・カナダ・インド・ニュージーランドへ拡大し、Google自身がAI検索面での自社ブランドの露出状況を出品者に可視化する動きも進めてきた。

今回のProductrise調査は、こうした一連の機能拡張の延長線上で、「AI Modeが実際にどのような商品を、どのような価格で、どのような販売元経由で提示しているのか」を初めて大規模な実測データで検証した点に価値がある。これまでの報道の多くは「AIショッピングがどこからデータを取得しているか」という供給側の構造に焦点を当てていたが、Productriseの調査は「AIショッピングがユーザーに何を見せているか」という需要側・消費者体験の実態に踏み込んでいる。

なお、日本市場についてはこれまでもGoogle AIモードのショッピング機能の日本の対応状況で整理してきた通り、AIモード自体は2025年9月から日本語提供が始まっている一方、会話型ショッピングや価格監視・AI代理購入といった踏み込んだショッピング機能の多くは米国先行での展開が続いている。今回のProductrise調査も米国・英国市場を対象にしたものであり、日本のAI Mode上で同様の価格傾向が観測されるかどうかは、本稿執筆時点では別途の検証が必要な段階にある。ただし、Google Merchant Centerのフィードという情報基盤そのものはグローバル共通であるため、今回の調査が示す「AI Modeの商品選定ロジックの特性」は、機能が日本へ本格展開された際にそのまま持ち込まれる可能性が高いと考えられる。

aiseo-llmo.com ユーザーへの影響

「フィードを整備すれば選ばれる」だけでは説明がつかない構造

今回の調査結果は、単に「AI Modeの価格表示にバグやラグがある」という技術的な問題にとどまらない、より根本的な論点を投げかけている。商品の重複率がわずか1.28%、主要販売元の入れ替わりが49.6%という数字は、AI Modeが通常検索と同じ商品プールから「上から順に」商品を選んでいるのではなく、独自の基準で候補を絞り込み、独自の基準で販売元を選定していることを示している。

これは、Gemini・ChatGPTのAIショッピングで選ばれる商品データ最適化で整理した「AIに選ばれる5条件」──権威性シグナル、答えそのものになる構造、第三者からの言及と評判、商品データ・構造化データの整備、ブランドメッセージの一貫性──のうち、特に「第三者からの言及と評判」の重みが、AI Modeの商品・販売元選定において通常検索以上に大きく作用している可能性を示唆する材料と言える。Re:signalのCallum Lockwood氏が指摘するように、商品フィードの情報だけでなく、レビューやプレス露出などの第三者シグナルが販売元選定に加味されているとすれば、EC事業者が取り組むべき対策は「フィードを整備すること」だけでは不十分になる。

価格の一貫性が信頼性シグナルとして機能する可能性

価格差が生じる要因の一つとして、Merchant Centerのフィード更新頻度とAI Modeが参照するタイミングのズレが考えられる。AIショッピングの主役は商品フィード、商品ページではない――SEL報道でも触れた通り、「1日1回の更新では既に後れを取っている」とされるほど、AIショッピングの世界では価格・在庫データの鮮度が重視される。セール価格や在庫連動価格の反映タイミングがずれていると、AI Modeが古い(あるいは異なるタイミングの)価格情報を参照してしまい、結果として通常検索との間で価格の不一致が生じる可能性は十分にある。

EC事業者にとって重要なのは、この価格の不一致が単なる表示上の誤差にとどまらず、「AIがどれだけ自社のデータソースを信頼できる情報として扱うか」という、より広いLLMO/GEO文脈での信頼性シグナルに波及しうる点だ。価格・在庫の一貫性が崩れている事業者は、AI Modeの候補選定において不利に働くリスクがあると考えるのが妥当だろう。

業種別の実務インパクト

D2Cブランド・自社ECサイト運営者

Jamie D'Alessandro氏が指摘するように、AI Modeがマーケットプレイス経由の出品よりもブランドの自社サイトを優先する傾向があるとすれば、自社ドメインでの商品フィード・構造化データ・レビュー基盤を持つD2Cブランドにとっては相対的な追い風になり得る。ただし、これはあくまで識者による分析であり、Productriseの調査自体がこの因果関係を直接実証したわけではない点には注意が必要だ。

マーケットプレイス出品者(複数モール展開の事業者)

主要販売元が49.6%で入れ替わるという結果は、同じ商品を複数の販売チャネル(自社サイト・楽天・Amazon相当のモール等)で展開している事業者にとって、「どのチャネル経由の情報がAI Modeに採用されるか」を自社でコントロールしきれないリスクを示している。チャネルごとにフィードの整備状況・レビュー数・価格設定にばらつきがある場合、意図しないチャネルがAI Modeの主要販売元として選ばれ、そちらに需要が流れてしまう可能性がある。

価格競争が激しいカテゴリー(家電・日用品など)

Tristan James氏が指摘する通り、価格に敏感な消費者層が一定割合存在するカテゴリーでは、AI Modeが平均より高い価格を提示すること自体が、そのカテゴリーでのAI Mode経由のコンバージョン率に影響を与える可能性がある。低価格戦略を主軸とする事業者ほど、AI Mode上で自社の価格優位性が正しく反映されているかを継続的に確認する必要性が高い。

GEO/LLMO支援を行う代理店・SaaS事業者

クライアント企業に対して、AI Mode経由の可視性を「表示された・されなかった」の二択だけでなく、「表示された場合の価格・販売元が自社の意図通りか」まで含めて計測・報告する視点が新たに求められる。従来のAI引用計測に加えて、価格・販売元の一致率という新しい計測軸を提案余地として検討する価値がある。

今すぐできる対応策

1. Google Merchant Centerの価格・在庫フィードの更新頻度を点検する

現在のフィード更新サイクルを確認し、特にセール中の商品や在庫変動が頻繁なカテゴリーについては、可能な限りリアルタイムに近い頻度での同期を検討する。価格の反映タイミングにラグがあると、AI Modeと自社サイト・通常検索との間で表示価格の不一致が生じやすくなる。

2. 自社の主要商品でAI Modeと通常検索の表示を定期的に突き合わせる

主力商品・売れ筋商品を対象に、AI Modeと通常のGoogle検索を同一日・同一クエリで実行し、自社商品が表示されているか、表示されている場合の価格・販売元が自社の意図と一致しているかを手動で確認する運用を月次程度で組み込む。Productriseのようなトラッキングツールを利用すれば、この突き合わせ作業を継続的かつ大規模に自動化できる。

3. 構造化データ(Product・Offer)の価格情報を常に最新化する

商品ページのJSON-LD構造化データにおけるPrice・PriceValidUntil・Availabilityの各プロパティが、実際の販売価格・在庫状況と乖離していないかを確認する。以下は基本的なProduct構造化データの例だ。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Product",
  "name": "商品名",
  "offers": {
    "@type": "Offer",
    "price": "9980",
    "priceCurrency": "JPY",
    "priceValidUntil": "2026-09-30",
    "availability": "https://schema.org/InStock"
  }
}

フィード側の価格・在庫と、ページ内の構造化データの内容が完全に一致しているかを定期的に監査することが、AIが参照する情報の信頼性を担保する基本動作になる。

4. 第三者言及・レビューの獲得を継続的な施策として位置づける

主要販売元の選定に第三者シグナルが影響している可能性を踏まえ、レビューサイトへの掲載、専門メディアでの言及、比較記事での取り上げといった第三者言及の獲得を、単発のPR施策ではなく継続的なGEO施策として組み込む。レビュー件数・評点の構造化データ(AggregateRating)の実装状況も併せて点検する。

5. 複数販売チャネルのフィード整合性を横断的に管理する

自社サイトとマーケットプレイス出品の両方を展開している場合、それぞれのチャネルでの商品タイトル・価格・在庫情報に矛盾がないかを横断的に確認する。どのチャネルがAI Modeの主要販売元として選ばれても、価格・在庫情報の正確性が損なわれないよう、チャネル間のデータ同期体制を整備する。

6. 価格に敏感なカテゴリーでは価格優位性の可視化を強化する

低価格戦略を取っている商品カテゴリーでは、AI Modeが自社の価格優位性を正しく反映しているかどうかを重点的にモニタリングする。もし通常検索と比べてAI Mode上で不利な価格・販売元が表示されている場合は、フィードデータの精度・鮮度から優先的に見直す。

7. 社内レポーティングに「価格・販売元の一致率」という指標を追加する

AI検索経由の可視性を計測する既存のダッシュボードに、単なる表示有無だけでなく、価格・販売元がAI Modeと通常検索・自社サイトとの間でどの程度一致しているかという指標を追加する。これにより、AI Mode経由の売上への影響をより正確に評価できるようになる。

今後の見通し

今回のProductrise調査は2026年8月9日から31日までの23日間、米国・英国市場を対象にした実測データに基づくものであり、AI Modeの商品選定・価格表示ロジックが今後も同じ傾向を維持し続けるかどうかは明らかではない。Googleは検索アルゴリズムを継続的に更新しており、今回指摘された価格差や販売元の不一致が、業界からの指摘を受けて調整される可能性も否定できない。

一方で、AI Modeのショッピング機能はここまで一貫して拡張の方向で進んできた経緯があり、インラインショッピング広告カルーセルの追加Merchant Center AI Performance Insightsの対象国拡大といった動きを踏まえると、AI Modeが検索・ショッピング体験の中でますます重要な位置を占めていくことは間違いない。EC事業者・LLMO/GEO担当者にとっては、今回明らかになった「同じ商品でも検索インターフェースによって価格・販売元の見え方が変わる」という構造を前提に、フィード管理・価格の一貫性・第三者言及の獲得という基礎的な施策を地道に積み上げておくことが、この変化の激しい環境における最も確実な備えになる。

今後、Productriseや他のEC可視性計測ツールが追加の調査データを公開する可能性もあり、当メディアでも継続的にウォッチしていく。

よくある質問

Q1. 今回のProductrise調査の対象期間と地域はどこですか?

2026年8月9日から31日までの23日間、米国・英国市場を対象に実施された。200万件超の商品リスティングと10万件超のSERP/AI Mode回答が分析対象になっている。

日本市場を対象にした同様の実測調査は本稿執筆時点では確認されておらず、日本のAI Modeで同じ傾向が見られるかどうかは別途の検証が必要だ。

Q2. AI Modeの価格は通常検索より具体的にどれくらい高いのですか?

突き合わせできた同一商品について、AI Modeの価格は通常検索より平均21.6%高く、中央値で比較するとAI Modeが149ドル、通常検索が100ドルで約49%の差があった。

平均・中央値のいずれもAI Modeが高い方向に偏っており、一部の外れ値によるものではなく構造的な傾向として観測されている。

Q3. なぜ同じ商品なのに価格が食い違うことがあるのですか?

Productriseの調査は価格差の直接的な原因までは特定していないが、突き合わせできた商品の38.1%で価格が不一致であり、そのうち68.4%はAI Modeの方が高かった。

考えられる要因として、Merchant Centerフィードの更新タイミングのズレ、AI Modeと通常検索が参照するデータのタイミング差などが挙げられるが、いずれも本調査で直接検証された結論ではない点に留意が必要だ。

Q4. AI Modeと通常検索で表示される商品はどれくらい重複していますか?

通常検索に出現した商品のうち、AI Modeにも登場したのはわずか1.28%にとどまる。これは、AI Modeが通常検索の結果をそのまま流用しているのではなく、独自の基準で商品を選定していることを示す数字だ。

Q5. 「主要販売元が異なる」とはどういう意味ですか?

同一商品として突き合わせできた場合でも、通常検索とAI Modeとで、どの店舗・サイトが主要な購入先として表示されるか(lead seller)が49.6%のケースで異なっていたという意味だ。

同じ商品を複数のチャネルで販売している事業者にとって、意図しないチャネルがAI Mode上での主要販売元として選ばれる可能性があることを示している。

Q6. AI Modeは通常検索より表示される商品数も少ないのですか?

その通りだ。1回の応答・検索結果あたりの平均商品表示数は、AI Modeが3.9件、通常検索が27.8件と報告されている。AI Modeは通常検索の7分の1程度まで選択肢を絞り込んで提示している。

Q7. なぜAI Modeはより高い価格の商品を選びやすいのですか?

明確な単一の答えは示されていない。独立系SEOコンサルタントのBrodie Clark氏は「AI Modeは通常検索のアルゴリズムほど価格を重視していない可能性がある」との見方を示す一方、最終的には最安値の小売業者がクリックを得るとの見方も併記している。

Re:signalのCallum Lockwood氏は商品フィード以外の第三者シグナル(レビュー・言及・プレス露出)が影響している可能性を、Jeff Collins氏は購入コンバージョンを早めるための意図的な商業設計の可能性を、それぞれ指摘している。複数の仮説が並立している段階であり、確定的な結論は出ていない。

Q8. EC事業者はこの調査結果を受けてまず何をすべきですか?

Google Merchant Centerの価格・在庫フィードの更新頻度を点検し、構造化データの価格情報が実際の販売価格と一致しているかを確認することが第一歩になる。あわせて、自社の主要商品でAI Modeと通常検索の表示を定期的に突き合わせ、価格・販売元の一致状況をモニタリングする運用を組み込むことを推奨する。

Q9. この価格差は消費者にどのような影響を与える可能性がありますか?

EEのTristan James氏は、消費者の30〜75%が価格に敏感だとされる中で、この価格差が売上に影響しうると警告している。Break The WebのKatelyn Geary氏は、これを「安価な代替品を一度も目にすることなく余計に払わされる、見えないペナルティ」と表現しており、AIショッピングが謳う利便性・効率性が損なわれるリスクを指摘している。

Q10. この調査結果は日本のEC事業者にも関係がありますか?

今回の調査自体は米国・英国市場が対象であり、日本のGoogle AI Modeで同様の価格傾向が生じているかは別途の検証が必要だ。ただし、AI Modeが依拠する商品データ基盤(Google Merchant Center)はグローバル共通の仕組みであるため、日本での機能展開状況が進むにつれて、同様の構造上の課題が日本市場でも顕在化する可能性は十分に考えられる。フィードの鮮度・価格一貫性・第三者言及の獲得といった基礎的な対策は、地域を問わず早期に着手しておく価値がある。

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用語集

参考文献

  1. Google AI Mode shows the same products 21.6% more expensive than traditional searchProductrise(参照: 2026-09-07)
  2. AI Mode shows the same products 21.6% more expensive, Productrise findsPPC Land(参照: 2026-09-07)
  3. Google's AI Mode shows the same products at higher prices than regular Search, study findsDigital Trends(参照: 2026-09-07)
  4. Google AI Mode Prices Differ From Search For Same ItemsMediaPost(参照: 2026-09-07)
  5. Google's AI Mode Is Ripping Shoppers Off With Vastly Higher Prices, Study ClaimsFuturism(参照: 2026-09-07)
  6. AI Mode prices run 21.6% higher, study findsRelevant Audience(参照: 2026-09-07)

関連用語

  • クエリ

    クエリとは、ユーザーが実際に検索窓に入力した検索語のこと。SEOで使う「キーワード」と似ていますが、キーワードが事前に狙う言葉、クエリが実際に打たれた言葉、というニュアンスの違いがあります。

  • 構造化データ

    構造化データとは、Webページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で記述したメタ情報。記事の著者・公開日、商品の価格・在庫などを機械可読にすることでリッチリザルトやAI引用の対象になります。

  • コンバージョン

    コンバージョンとは、サイト訪問者がサイト運営者の望むアクション(購入・問い合わせ・登録など)を完了すること。SEOの最終ゴールはアクセス数ではなくコンバージョン数を増やすことです。

  • GEO(Generative Engine Optimization)

    GEOとは「Generative Engine Optimization(生成エンジン最適化)」の略で、Perplexity・ChatGPT・Google AI Overviewなど生成AIエンジン上での自社コンテンツ表示を最適化する取り組み。LLMOとほぼ同義です。

  • JSON-LD

    JSON-LDとは「JSON for Linking Data」の略で、構造化データをJSON形式で記述する方式。Google公式が推奨する構造化データ実装フォーマットで、scriptタグでHTML内に書きます。

  • schema.org

    schema.orgとは、Google・Microsoft・Yahoo・Yandexが共同で策定した「構造化データの語彙集」。ArticleやProduct、Personなど数百種類のタイプが定義されており、JSON-LDで使う「単語帳」にあたります。

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