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ChatGPT・Perplexity・Gemini、同じ質問でも引用104ソース一致せず (llmo-news-20260823-ai-answer-engine-citation-fragmentation-uk-study)
LLMO最終更新日: 2026年9月18日初出: 2026年8月23日

ChatGPT・Perplexity・Gemini、同じ質問でも引用104ソース一致せず

英国のThe Happy Catが30回答を調査した結果、ChatGPT・Perplexity・Geminiが引用した104ドメインのうち複数回引用は11件のみ、3エンジン共通の推奨企業はわずか3社という「引用の断片化」の実態が判明しました。

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目次(35項目)

ChatGPT・Perplexity・Gemini、同じ質問でも引用104ソース一致せず——英国調査が示す「引用の断片化」

要点: 英国マンチェスター拠点のAI可視性エージェンシーThe Happy Catが、ChatGPT・Perplexity・Geminiの3つのAIアシスタントに同一の購買者向け質問10問を投げ、合計30回答を分析したところ、引用された104ドメインのうち複数回引用されたのはわずか11ドメインにとどまりました。 3エンジン全てに共通して推奨された企業はTilio・Rank4AI・Foundの3社のみで、調査を実施したThe Happy Cat自身は30回答中0回(0%)しか自社が言及されないという「身も蓋もない」結果も公表しています。 2026年8月20〜21日にThe Happy Cat自身のインサイト記事とPressat.co.uk経由のプレスリリースで公開されました。

最終更新日: 2026年8月23日

何が起きたのか

英国のAI可視性エージェンシーが「自社業界」を対象に自己検証調査を実施

英国マンチェスターを拠点とするAI可視性(AI visibility)専門のエージェンシー、The Happy Catが2026年8月20日、自社サイトのインサイト記事「We scored zero: an AI visibility baseline」で調査結果を公表しました。翌21日には英国のプレスリリース配信サービスPressat.co.ukを通じて「Study: ChatGPT, Perplexity & Gemini cited 104 sources in 30 answers – and can't agree on any of them(ChatGPT・Perplexity・Geminiは30の回答で104のソースを引用したが、そのどれについても一致しなかった)」というタイトルでプレスリリースが配信され、より広く報道される形になりました。

この調査が興味深いのは、対象領域が「AI可視性/GEO(Generative Engine Optimization)代理店探し」という、調査を実施したThe Happy Cat自身が事業を営む領域そのものであるという点です。つまり同社は、自社が競合と比較検討される可能性の高いクエリ群を使って、AIアシスタントが実際に誰を推薦しているかを検証したことになります。この「身内に甘くならない」自己検証的な設計は、後述する結果の受け止め方にも関わってきます。

調査方法——3AIアシスタント×10質問×最初の回答のみを記録

The Happy Catの調査手法は次のとおりです。2026年8月19〜20日の2日間で、ChatGPT(検索機能を有効化した状態)・Perplexity・Geminiという3つのAIアシスタントに対し、同一の10個の購買者向け質問を投げかけました。質問は「best AI visibility agency UK」「AI SEO agency Manchester」といった、AI可視性/GEO領域の代理店を探しているユーザーが実際に入力しそうな検索意図の強い文言で構成されています。

各質問について、モデルが返す最初の回答のみを記録し、スクリーンショットとして保存する形で調査を実施しました。3アシスタント×10質問で合計30回答が収集されたことになります。フォローアップの追加質問や複数回の再実行によるブレの検証は行っておらず、あくまで「最初の1回答」というスナップショットを対象にしている点は、調査結果を読む上で押さえておくべき前提です(この点は後述の限界としても改めて触れます)。

発見1——104ドメインが引用されたが、複数回引用はわずか11ドメイン

30回答全体を通じて、AIアシスタントが引用したウェブドメインの総数は104件にのぼりました。しかしこのうち、複数の回答にまたがって引用されたドメインはわずか11件にとどまり、残りの大半は一度きりしか引用されない「単発引用」でした。同じ検索意図の質問を3つのAIアシスタントに投げているにもかかわらず、引用元となるソースの大部分が回答ごとにバラバラであるという結果は、AI回答エンジンが情報源をどれだけ一貫性なく選んでいるかを端的に示す数字といえます。

発見2——30問中10問は企業名を一切挙げなかった

さらに注目すべきは、30回答のうち10回答(約3分の1)が、そもそも特定の企業名を一切挙げない回答だったという点です。「best AI visibility agency UK」のような明確に企業推薦を求める質問であっても、AIアシスタントが具体的な企業名を出さず、一般論や選び方のポイントだけを回答するケースが少なからず存在したことになります。これは、AI検索エンジンが常に「勝者」を明示するとは限らず、質問の立て方やモデルの安全設計によっては企業名の提示を避ける挙動を取ることを示唆しています。

発見3——3エンジン共通の推奨企業はわずか3社(Tier 1)

The Happy Catは、推薦された企業を引用頻度と登場したエンジンの数に応じて階層(Tier)分けして整理しています。

**Tier 1(3アシスタント全てで複数回登場)**は、Tilio・Rank4AI・Foundの3社のみでした。各社ともChatGPT・Perplexity・Geminiの全てに登場し、30回答中4〜6回程度の頻度で引用されています。この3社が、少なくとも今回の調査範囲においては「エンジン横断で一貫して推薦される」数少ない企業ということになります。

**Tier 2(2アシスタントのみで推奨)**には、複数の企業が該当します。MarGenはPerplexityとGeminiの両方で、FirstMotionはChatGPTのみで複数回、Clutch SEOはPerplexityのみで複数回、といった形で、エンジンごとに得意先が異なる企業が並びます。

これらTier 1・Tier 2に加え、単発でしか引用されない企業まで含めると、調査全体で登場した企業名の種類は40社以上にのぼりました。The Happy Catはこの状況を「市場を支配する明確な勝者がまだ存在しない」状態と表現しています。

発見4——調査主体自身が0%(自社ゼロ表示)

今回の調査結果の中で最も自己言及的かつ話題性の高いポイントが、調査を実施したThe Happy Cat自身が、30回答中0回(0%)しか言及されなかったという事実です。AI可視性/GEO領域の専門エージェンシーが、自らの専門分野に関するクエリで、いずれのAIアシスタントからも一切推薦されなかったことになります。The Happy Catはこの結果を「ベースライン(baseline)」と位置づけ、インサイト記事のタイトルにも「We scored zero(私たちのスコアはゼロだった)」と明記しています。

自社に都合の良い結果だけを公表するのではなく、自社が不利な事実も含めて公開する姿勢は、調査全体の信頼性を裏付ける材料になっています。同時に、AI可視性を専門とする代理店であっても、AI回答エンジンにおける言及獲得が容易ではないという実態を、身をもって示す結果にもなっています。

発見5——モデルごとの引用ソース傾向の違い

The Happy Catは、3つのAIアシスタントそれぞれの引用ソース傾向の違いについても言及しています。ChatGPTは企業自身の公式サイト(一次情報源)を重視する傾向、Perplexityは第三者が書いた記事を多用する傾向、Geminiは実質的な比較記事・解説記事を引用する傾向がそれぞれ確認されたとしています。この傾向の違いは、後述する類似調査(Steady Demandのローカル引用調査)で確認されているエンジン間の引用ソース差とも方向性が重なる部分があります。

また、ハウツー(how-to)系の質問では、知名度の高い大企業よりも、ニッチな領域に特化した詳細な解説記事のほうが引用されやすい傾向も確認されました。加えて、比較ページ(Vs.系コンテンツ、特定企業同士を比較する記事)が、AI回答エンジンに引用されやすい新たなコンテンツフォーマットとして浮上している点も指摘されています。

The Happy Catの結論と今後の計画

The Happy Catは今回の調査結果を踏まえ、「AI可視性の高さは、そのままサービス品質の高さを意味するわけではない」と明言しています。AIアシスタントに頻繁に引用されているからといって、その企業が本当に優れたサービスを提供しているとは限らず、逆に引用されていないからといって質が低いとも言えない、という当然ながら見落とされがちな注意点です。

同社は今後、2026年9月16日と10月14日に同一の10問で再調査を実施し、時系列での推移を追跡する計画を明らかにしています。単発の調査結果だけで結論を出すのではなく、継続的な計測によって傾向の変化(あるいは変化のなさ)を確認していく姿勢がうかがえます。

また、代理店選定に際しては、その代理店自身が「記録された測定方法(documented measurement methodology)」と「実際のクライアント事例」を提示できるかどうかを判断材料にすべきだと提言しています。これはAI可視性/GEO業界全体に対する、いわば「自浄作用」を促すメッセージとも読めます。

調査規模の限界について

今回の調査は10質問・30回答という規模であり、大規模統計調査ではなく小規模なケーススタディに位置づけられる点は明記しておく必要があります。フォローアップの追加質問や複数回の再実行によるブレの検証は行われておらず、各質問につき最初の回答のみを記録しているため、AI回答の非決定性(同じ質問でも実行のたびに回答が変わりうる性質)による誤差がどの程度含まれているかは、この調査単体からは判断できません。

一方で、後述するとおり、より大規模な調査(Fractlの「AI Visibility Index」、Steady Demandの「AI Citation Ledger」)でも同様に「AIエンジン間での言及・引用の一致率が低い」という傾向が確認されており、今回の小規模調査の結果は、それらの大規模調査が示す傾向と方向性が整合しています。小規模な自己検証調査だからといって直ちに軽視すべきものではなく、既存の大規模データを補強する一事例として位置づけるのが妥当と考えられます。

aiseo-llmo.com ユーザーへの影響

単一プラットフォーム最適化ではもはや不十分

今回の調査で最も実務的なインパクトが大きいのは、104ドメインのうち複数回引用されたのがわずか11ドメインにとどまり、3エンジン共通の推奨企業がTilio・Rank4AI・Foundの3社のみだったという事実です。これは、ChatGPTだけ・Perplexityだけ・Geminiだけといった単一のAIプラットフォームを対象にAI検索対策を行っても、他のプラットフォームでの露出はほとんど期待できない可能性が高いことを意味します。

この傾向は、当メディアが以前取り上げたFractl調査「AI Visibility Index」における「3モデル全てに登場するブランドはわずか11%」という結果や、Steady Demandのローカル引用調査における「GeminiとChatGPTのドメイン重複率は平均8%程度」という結果とも方向性が一致しています。調査主体・調査規模・対象領域が異なる複数の調査が、いずれも「AIエンジン間での引用・言及の一致度は低い」という共通の傾向を示しているという点は、この現象が特定の調査に固有の偶然ではなく、AI回答エンジン全般に見られる構造的な特徴である可能性を示唆しています。

「AIに一度も推薦されない」ことは珍しくない

The Happy Cat自身が30回答中0%しか言及されなかったという結果は、専門性の高いエージェンシーであっても、自らの専門領域のクエリでAIに一切推薦されないケースが十分にあり得ることを示しています。また、30問中10問がそもそも企業名を挙げない回答だったという事実も踏まえると、「AIに自社が全く出てこない」という状況は、必ずしも自社のコンテンツ・評判に問題があることのみを意味するわけではなく、AI側の回答生成の挙動(企業名を出さない・出典が単発的に分散する)自体の性質による部分もあると考えられます。自社がAI回答エンジンで0%表示だったとしても、それだけで悲観的になりすぎず、まずは継続的な計測によって傾向を把握することが重要です。

40社以上が乱立する「勝者不在」市場は、後発企業にもチャンスがある

Tier 1のわずか3社を除けば、40社以上の企業名が単発的に引用される状態が確認されたことは、裏を返せば「市場を支配する明確な勝者がまだいない」ということでもあります。既に確立されたブランド力を持つ大手企業が独占している成熟市場と異なり、AI可視性がまだ流動的な市場・カテゴリーでは、比較的小規模な企業やニッチな専門性を持つ企業でも、適切なコンテンツ戦略によってAIエンジンからの引用を獲得できる余地が大きいと考えられます。

エンジンごとの引用ソース傾向の違いはコンテンツ戦略に直結する

ChatGPTは自社サイト(一次情報源)重視、Perplexityは第三者記事多用、Geminiは比較記事・解説記事を引用する傾向、という今回の調査結果は、単に「AI対策をする」という漠然とした方針ではなく、狙うエンジンごとに投資すべきコンテンツの種類を変える必要があることを示しています。

今すぐできる対応策

1. ChatGPT・Perplexity・Geminiの3エンジンで自社ブランドの言及状況を横断的に確認する

まず着手すべきは、自社が属する業界・サービスカテゴリーに関する購買検討フェーズの質問(例:「〇〇 おすすめ 会社」「〇〇業界 比較」など)を、ChatGPT(検索機能有効)・Perplexity・Geminiのそれぞれに実際に投げて、自社名が言及されるか、言及される場合はどのようなコンテキストで・どのソースが引用されているかを記録することです。1回のチェックだけでは判断がぶれるため、可能であれば同一の質問を複数回・複数の言い回しで実行し、言及の有無・頻度の傾向を把握します。The Happy Catの調査が「最初の回答のみ」を対象にしている点を踏まえると、実務上はそれ以上の反復チェックを行うことで、より安定した実態把握につながります。

2. 単発引用ではなく「複数回引用される」ための第三者コンテンツ獲得に注力する

104ドメインのうち複数回引用されたのはわずか11ドメインという結果は、単に1回どこかのメディアに掲載されるだけでは不十分であり、複数の異なる文脈・複数のクエリにわたって繰り返し引用されるだけの情報の厚みが必要であることを示しています。具体的には、業界メディアへの寄稿・取材協力、比較サイトへの正確な情報掲載、専門性の高い一次情報(調査データ・事例・独自の知見)の継続的な発信など、単発のプレスリリースだけに頼らない複層的な情報発信を積み重ねることが重要です。

3. 比較ページ(Vs.系コンテンツ)を整備する

The Happy Catの調査で、比較ページ(Vs.系コンテンツ)が新たに重要なコンテンツフォーマットとして浮上していると指摘されている点を踏まえ、「自社 vs 競合A」「自社 vs 競合B」といった直接比較コンテンツや、業界内の複数の選択肢を公平に整理した比較記事の整備を検討します。この際、自社に一方的に有利な内容ではなく、比較検討する読者(そしてAIモデル)にとって客観的で信頼できる情報として設計することが、引用されやすさにつながると考えられます。

4. ハウツー系コンテンツはニッチな専門性を軸に深掘りする

調査では、ハウツー系の質問において、大企業よりもニッチ領域に特化した詳細記事のほうが引用されやすい傾向が確認されています。自社が対応可能な特定の課題・業種・シチュエーションに絞り込んだ、具体性の高い実践的な解説記事を作成することが、大手企業と正面から競合しない形での引用獲得の糸口になり得ます。

5. 構造化データでAIモデルが情報を機械的に読み取れるようにする

自社が「一次情報源」としてChatGPT等に引用されやすくなるよう、Organization・Service・FAQPage・Article等のSchema.orgマークアップを整備し、自社の事業内容・提供サービス・実績・専門性をAIモデルが構造的に読み取れる形で明示します。以下はサービス業を想定したOrganization構造化データの実装イメージです。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "株式会社〇〇",
  "url": "https://example.com",
  "description": "AI検索最適化(LLMO/GEO)を専門とするコンサルティング会社",
  "areaServed": "日本国内",
  "knowsAbout": ["LLMO", "GEO", "AI検索最適化", "生成AI可視性"],
  "sameAs": [
    "https://x.com/example",
    "https://www.linkedin.com/company/example"
  ]
}

6. 「記録された測定方法」と「実際の事例」を自社の実績として整備する

The Happy Catが代理店選定基準として提言している「記録された測定方法」と「実際のクライアント事例」の提示は、AI可視性/GEO領域の事業者自身にとっても重要な自己開示の指針です。自社がどのような手法でAI可視性を計測しているか、実際にどのような成果が出たかを、可能な範囲で具体的な数字とともに公開することは、顧客・見込み客からの信頼獲得だけでなく、AIモデルが引用しやすい「検証可能な一次情報」としても機能する可能性があります。

7. 定期的な再計測でトレンドを追跡する

The Happy Catが2026年9月16日・10月14日に同一の10問で再調査を行う予定であることに倣い、自社でも月次程度の頻度で同一クエリセットによる定点観測を行い、AI引用の増減トレンドを把握することを推奨します。単発の結果に一喜一憂せず、施策実施前後の変化を追跡することで、どの施策が実際にAI可視性の向上に寄与しているかを見極めやすくなります。

よくある質問

Q1. The Happy Catの調査とはどのようなものですか。

英国マンチェスター拠点のAI可視性エージェンシーが、ChatGPT・Perplexity・Geminiに同一の購買者向け質問10問を投げ、合計30回答の引用状況を分析した調査です。

2026年8月19〜20日に実施され、8月20〜21日に同社のインサイト記事とPressat.co.uk経由のプレスリリースで公表されました。AI可視性/GEO代理店探しを想定した質問群を使い、各質問の最初の回答のみを記録・スクリーンショット保存する手法を取っています。

Q2. 104ドメインのうち複数回引用されたのは何件ですか。

わずか11ドメインです。残りの大半は30回答のうちいずれか1回きりしか引用されない「単発引用」でした。

同じ検索意図の質問を3つのAIアシスタントに投げているにもかかわらず、引用元の大部分がバラバラだったという結果は、AI回答エンジンが情報源を選ぶロジックに強い一貫性がないことを示しています。

Q3. 3つのAIアシスタント全てに共通して推奨された企業はどこですか。

Tilio・Rank4AI・Foundの3社のみです(Tier 1)。各社ともChatGPT・Perplexity・Geminiの全てに登場し、30回答中4〜6回程度引用されています。

これに次ぐTier 2として、Perplexity・Geminiの2エンジンで推奨されたMarGen、ChatGPTのみで複数回推奨されたFirstMotion、Perplexityのみで複数回推奨されたClutch SEOなどが挙げられています。全体では40社以上の企業名が登場しており、市場を独占する明確な勝者はまだ存在しないとThe Happy Catは分析しています。

Q4. 調査を実施したThe Happy Cat自身はどれくらい言及されましたか。

30回答中0回、つまり0%です。自社の専門領域に関するクエリであっても、いずれのAIアシスタントからも一切推薦されませんでした。

The Happy Catはこの結果を「ベースライン」と位置づけ、インサイト記事のタイトルにも明記しています。自社に不利な結果も含めて公表する姿勢が、調査結果全体の信頼性を裏付ける材料になっています。

Q5. 30回答のうち企業名が挙げられなかった回答はどれくらいありますか。

30問中10問、約3分の1です。明確に企業推薦を求める質問であっても、AIアシスタントが具体的な企業名を出さず、一般論や選び方のポイントのみを回答するケースが確認されました。

これは、AI検索エンジンが常に特定の「勝者」を明示するとは限らないことを示しており、自社が言及されない=評判が悪いと単純に結びつけるべきではないという解釈につながります。

Q6. ChatGPT・Perplexity・Geminiで引用ソースの傾向はどう違いますか。

ChatGPTは企業の公式サイト(一次情報源)を重視、Perplexityは第三者が書いた記事を多用、Geminiは比較記事・解説記事を引用する傾向が確認されています。

この傾向の違いは、当メディアが以前紹介したSteady Demandのローカル引用調査で確認された「Geminiは自社サイト約60%、ChatGPTはReddit等コミュニティが41.7%」という結果とも方向性が重なっており、単一の調査に限らずAIエンジン間で引用ロジックが構造的に異なることを裏付けています。

Q7. なぜAI回答エンジン間でこれほど引用が食い違うのでしょうか。

各AIモデルの学習データの構成、検索・グラウンディング(外部情報源の参照)アルゴリズムの違い、回答生成時に優先するソースの種類の違いなどが背景にあると考えられますが、The Happy Catの調査自体は原因の技術的な解明までは踏み込んでいません。

ChatGPTは検索機能を通じたリアルタイムの外部検索結果とモデル自身が学習した知識を組み合わせて回答する一方、Perplexityは検索エンジン的な設計で多数の記事を横断的に参照し、Geminiは Google の検索インデックスとの連携を持つなど、各サービスのアーキテクチャの違いが引用ソースの傾向差につながっている可能性があります。ただしこれは業界内での一般的な理解であり、本調査自体がそれを実証したものではない点に留意が必要です。

Q8. この調査結果はどの程度信頼できますか。サンプル数が少なくないですか。

10質問・30回答という規模は大規模統計調査ではなく、小規模なケーススタディです。この点はThe Happy Cat自身も踏まえておくべき前提であり、過度な一般化は避けるべきです。

一方で、より大規模な調査であるFractlの「AI Visibility Index」(3モデル・8業界・4,320応答、3モデル共通言及ブランドはわずか11%)や、Steady Demandの「AI Citation Ledger」(1,487クエリ・14,472引用、GeminiとChatGPTのドメイン重複率は平均8%程度)でも、同様に「AIエンジン間での言及・引用の一致率が低い」という傾向が確認されています。今回の小規模調査の結果は、これら既存の大規模データが示す傾向と方向性が整合しており、単独の偶然というより構造的な現象を反映している可能性が高いと考えられます。

Q9. 代理店やエージェンシーを選ぶ際、この調査から何を学べますか。

The Happy Catは「記録された測定方法」と「実際のクライアント事例」を提示できるかどうかを判断基準にすべきと提言しています。

AI可視性が高い=サービス品質が高いとは限らないと同社自身が明言している点も重要です。単に「AIに頻繁に出てくる代理店だから優れている」と判断するのではなく、その代理店がどのような手法で計測し、どのような成果を実際に出しているかを具体的に確認することが、代理店選定における実務的な指針になります。

Q10. The Happy Catは今後どのような追加調査を計画していますか。

2026年9月16日と10月14日に、同一の10問で再調査を実施し、時系列での推移を追跡する計画を明らかにしています。

単発の調査結果だけで結論を固定するのではなく、継続的な計測によって「引用の断片化」の傾向が変化するのか、あるいはTier 1の顔ぶれが変わるのかを確認していく方針です。今後の再調査結果によっては、AI可視性市場の流動性がどの程度のスピードで収束していくのか(あるいは収束しないのか)を判断する材料が増えることになります。

関連記事

参考文献

  1. We scored zero: an AI visibility baselineThe Happy Cat(参照: 2026-08-23)
  2. UK AI visibility agencies — August 2026 rankingThe Happy Cat(参照: 2026-08-23)
  3. Study: ChatGPT, Perplexity & Gemini cited 104 sources in 30 answers – and can't agree on any of themPressat.co.uk(参照: 2026-08-23)

関連用語

  • インデックス

    インデックスとは、クローラーが集めたページをGoogleがデータベースに登録すること。インデックスされて初めて検索結果に表示される対象になります。「索引」とイメージすると分かりやすい用語です。

  • クエリ

    クエリとは、ユーザーが実際に検索窓に入力した検索語のこと。SEOで使う「キーワード」と似ていますが、キーワードが事前に狙う言葉、クエリが実際に打たれた言葉、というニュアンスの違いがあります。

  • グラウンディング

    グラウンディングとは、LLMの回答を信頼できる外部情報源(Web・社内文書)に「接地」させて、ハルシネーション(嘘)を防ぐ仕組み。RAGはグラウンディングの代表的な実装方法です。

  • 検索意図

    検索意図とは、ユーザーがその言葉を検索したときに「本当は何をしたいのか」という背景の目的のこと。SEOでは検索意図に合った答えを返すページが上位表示されます。

  • 構造化データ

    構造化データとは、Webページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で記述したメタ情報。記事の著者・公開日、商品の価格・在庫などを機械可読にすることでリッチリザルトやAI引用の対象になります。

  • schema.org

    schema.orgとは、Google・Microsoft・Yahoo・Yandexが共同で策定した「構造化データの語彙集」。ArticleやProduct、Personなど数百種類のタイプが定義されており、JSON-LDで使う「単語帳」にあたります。

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